どうやら繁体字版の3巻も無事発売されたようで(KTC様献本よろしくお願いしますペコペコ)、いい加減過去の歴史になって久しい感じのあるGUNNER QUEENですが、前回の予告もしていたことでもありますので、あと何回か思い出をさらっと綴って終わりにしたいと思います。
というわけで、今回はアシスタントさんの話です。
いわゆる漫画家さんが雇う「アシスタント」と言う形でのヘルプをお願いするようになったのは2巻第3話"Leviathan"以降になります。この回は連載初回以降2回目の32ページ構成と言うこともあって、スケジュールを読み違えて正直どうしようもなくなった時でした(今思い出しても背筋が縮こまる思いがします)。結局この時は細々と作業を割り振って5人程の方に手伝っていただきました。この時期を乗り越えたことで、実際の自分の体力的限界が見え、以降の作業の見通しが立つようになりました。
その後連載終了まで、お手伝いいただいた方のスケジュールもあって顔ぶれも変わりましたが、最終的には2人の方がほぼ通しでGUNNERのアシとして頑張ってくれました。このマンガがまがりなりにもコミックスとして3冊も続いたのはひとえにアシスタントとしてご助力いただいた方のお力があったこそで、また、作業がキツイ中でアシの伝を探してきてくれる担当氏の敏腕ぶりによるところ大でした。
とりわけ、アシとして頑張ってくれた上記の2人の上達ぶりには目を瞠るものがあり、塗り担当の一人は後半にはいちいち指示を出す必要も無く、原稿を渡すだけでとりあえず基本の塗り分くらいは仕上げてしまうまでになり、もう一人はこっちが特に指定を出さなくても勝手に背景を描いて上げてくるという、もうYouデビューしちゃいなYo!と言わんばかりの気の利きようで、
こんなラフが…
こんな感じに(キャラは私が描いてます)
ここまでされるとさすがにそのままでの待遇ではイカンと思い、日給を上げさせていただきました。
作業自体は基本的にオンライン入稿で、在宅作業となることから、雇用主(=KTCと私)からはアシスタントさんの作業をチェックすることは限界がありました。また作業の支払いはKTCの規定により日当としてアシさんに支払われると言うシステムでした。
これは、悪意的に解釈すれば「サボろうと思えばいくらでもサボれる」「下手でもなんとなく作業していればお金がもらえる」ということです。
このため、アシさんに手伝っていただくにあたって、最低限守っていただくことを決めていました。具体的には、
・時間がかかってもいいから、作業を最後までしっかりとやる。
・わからないところは聞く。
要はクオリティを優先して作業効率については目をつぶりますよと言うことで、「指示がよくわからないし、自分下手なのでここはやりませんでした」と言って納品するようなことはさせない、と言うことです。
逆に、アシさんのやる気が先走って、あんなものからこんなものまで描いちゃいましたというのに関しては何一つダメ出しをしませんでした。言っちゃあなんですがどうせ読者も限られたマイナー作品なんだから好きなことやって結構ですよと、むしろ大歓迎ですよ、自分でモチベーションを高められる人の邪魔はしませんよということです。
したがって、どこの職場にもいるんでしょうが「指示待ち族」的な人には私の作業に付き合うのは苦痛だっただろうなあ、と思います。逆にやる気のある方、また既にそれなりにスキルのある方には楽しめていただけたかもしれません(実際に聞いてはいないので勝手な想像ですが)。なんにせよ使う側の立場から言えばこのスタイルを変える必然性を感じないので、今後とも「やる気のある人がやってて楽しい作業を提供したい」という姿勢は変わらないです。
そういえば、連載中、原稿を入稿した後に担当氏から連絡があり、急遽他のヴァルキリーの作家さんの原稿を手伝ったことがありました(笑)。他人の線画をグレーで塗ると言うのはあまり経験の無いことでしたが、作業に没頭してくると、その作家さんの持つ「立体感覚」というのがだんだんわかってきて、それがあまりに面白くて結局締め切りギリギリまで引っ張って作家さんと担当さんを慌てさせたという事もありました。その節は大変申し訳ないことをしたなぁ…と反省もしきりなんですが、そんなあなた、私のところに話を持ってくる時点でこうなることは9分9厘判ってるわけで…と思わんでもなかったり……
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jackon