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Days of GUNNER

   

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GUNNER QUEENのこと(その2)



 プロットを肉付けしていく過程で、最初に決めたのは「主人公にどんな銃を持たせるか」でした。なんと言ってもガンアクション漫画を目指すわけですから(一応)、自分の好みやプロットのイメージからいくつかの条件を設定して、候補を絞り込みました。

・レトロな雰囲気を醸し出す銃が望ましい
・実用美・機能美がありつつ、意匠美も感じられるような銃(要は自分の好み)
・他の漫画と登場する銃が被らないこと
・資料が豊富で、描き易いこと

 その他取りとめも無くいろいろとありましたが、まず(半)自動式拳銃は候補から外しました。作中では弾数の多い乱れ撃ち演出は避けたかったからです。実際リュシィは殆ど単射のヘッドショットで敵を倒してますが、あれは私たちと違って法力で敵を「視て」弾を当てている、そんな風に思っていた時期が、俺にもありました…ではなく、そういう1発1発のインパクトを出したかったというのがありました。
 その次に、コルトSAAのようなアメリカの19世紀頃のリボルバーも候補から外れました。なるべく西部劇っぽい銃にはしたくなかったためです。主人公は王女様ですし。

 最終的にはヨーロッパの19世紀末~第2次大戦前のリボルバーが候補に残りました。参考写真は英語版wikiのものを使用しています。M1880はwikiにも画像がありませんでした。ぐぐる先生の画像検索でも1件くらいしかヒットしません。

RSAFエンフィールドNo.2Mk.I


ウェブリー&スコット(Mk.VIほか)※写真は38口径のMk.IV


エミール・ナガンmodel1895


ラスト&ガッサーmodel1898


model1892リボルバー(フランス)


model1880リボルバー(ドイツ)


 このうち、資料の入手しにくさで、残りのリボルバーの殆どが哀しいことに姿を消していきました…個人的には最後まで描こうかどうしようか迷ったのがナガン・リボルバーで、他にラスト&ガッサーも結構迷いました。ナガンは滝沢聖峰先生の「幻の豹」で、遠藤を処刑する時に一コマだけ登場します。横アングルからの描写で、恐らくは写真資料をもとに描いておられるかと思いますが、それ以外の場面での描写が無いところを見ると、やっぱりいろんな角度から写した写真資料などは手に入りにくい(実際ぐぐる先生の画像検索でも上下のアングルから撮影した写真画像は滅多に無い、あっても低解像度)のだろうと思います。逆にエンフィールドは宮崎駿監督のお気に入りということも手伝ってか、作画資料も豊富で、モデルガン化もされており、しかも比較的安価で手に入ることが決め手となり、最終的に主人公アイテムの座を射止めたのでした。



 ちなみに意匠美を考慮に入れたときに、ちょっとだけ「オートマチックでもフリントロックでもいいから、ベレッタあたりの職人が彫金したラグジュアリー銃を持たせたらどうだろう」と思いましたが、作画で死ねるので断念しましたw

 RSAFエンフィールドに関しては、コミックス2巻で簡単な説明を載せています。作画の参考にしたのはマルシンのヘビーウェイトモデル、そのほかwebで漁った画像と、洋書ですが Skennerton".380 ENFIELD No.2 REVOLVER"(Mark Stamps & Ian Skennerton)を参照しています。


 銃弾の記述は日本のweb記事には「.380エンフィールド弾」とありますが、コミックスに解説を載せるにあたり、最終的には上記書籍と英語版ウィキペディア記事を参考にしました。

 連載していて嬉しかったのは、wikiにGUNNER QUEENの記事を書いてくれた人がいたことと、MEDIA GUN DATABASEのエンフィールドの記事にGQを追加してくれた人がいた(ベレッタM84の項目にはさりげなくミルフィも書き加えられています。感謝)ことでした。一方でウィキペディア日本語版からエンフィールドリボルバーの記事が削除されてしまったのはちょっぴり悲しかったです(編集履歴を見た限りでは、どうも説明記事をMEDIA GUN DATABASEから転載していたようで、それがいけなかったらしいです)。

 銃の話が長くなって、キャラの話が書けませんでした。次回はリュシィとかミスエとかミルフィとか、主人公周りのキャラについて書きたいと思います。
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コンシューマゲーム開発からイラスト・3D・アーケードゲーム開発を経て現在イラスト・マンガ中心でお仕事を頂いています。個人名を出せるお仕事は一迅社「萌える戦艦」イラスト、KTC「コミックヴァルキリー」連載『GUNNER QUEEN』等。

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